DHMOについて2

必ずDHMOについて1を先に読んでください。
賢明なる読者諸氏はお気づきのことと思うが、DHMOとは水のことである。 DHMO論自体は科学教育の世界では良く知られたネタである。この文章は、私が独自に書いたものだが、類似の文章は世界中で見つけられるだろう。
この文書を書くにあたっては、まず幾つかのDHMO文書に目を通し一通りの情報を抜き出した。それから、環境保護と称するアピールを幾つか読み、彼等の好きそうな言い回しやキーワードを抜き出した。最後に、それらをまとめたものである。これといった知的作業は行っていない。
この文章から得るべき教訓は簡単である。

  • 環境問題に対しては、科学的かつ定量的な論議が不可欠である。
  • 印象や感情に頼った判断は危険である。

実際、ダイオキシン塩化ビニールなどの害よりも、車やタバコなどの害の方が遙かに大きい。しかし、車やタバコを攻撃するのは難しい。車メーカーやタバコメーカーを攻撃することはあるが、実際に害をばらまいているのは一般消費者である。自分を正義の側、攻撃する側に置きたがるのは人の常だが、車やタバコを叩くときに自分を安全な場所に置くのは難しい。なにより、*1車にそれなりの大きなメリットがあることは多くの人が理解しているところであるからだ。*2
そこで、攻撃の容易なダイオキシンなど*3をバッシングするわけだ。
ダイオキシン塩化ビニールへの対処ももちろん重要だが、科学の目を失えば行き着く先は偏狭なカルトである。「人は正義を行っていると確信しているときに、最も邪悪な行動を平然と行うことができる」との警句を常に忘れてはならない。
もちろん、この警句を口実にして正義を嘲笑しても何も問題は解決しないことも申し添えておく。


DHMOについて1の文章、↑の文章は全て此処からの引用です。


これで最も伝えたかった事は、上にもある通り、「印象や感情に頼った判断は危険である。」ということです。ネット上で様々な噂が飛び、それを鵜呑みにして簡単に踊らされるようなことはあって欲しくありません。たとえば、「ACTA」のように、「Youtubeが消える」などといった危機感を煽る情報ばかりが拡散され、鵜呑みにして反対する。そういう人が増えて欲しくありません。だから俺はこういう記事を書きました。


皆さんには、印象や感情に流されず、情報の真実を冷静に見極める能力を付けて欲しいです。何が本当で何が嘘だか判らないなら、まず疑う目をもちましょう。簡単に信用しない、というのが大切です。

*1:タバコはともかく

*2:自らメリットを全部捨てるのは、実際非常に困難である。

*3:これなら少数の企業を攻撃すればすむし、一般市民は自分を加害者ではなく被害者であると(誤った)納得をすることができる。